東京都瑞穂町・国道16号沿い伐採プロジェクト:9日目(最終日)。重機と大型車の共演、拓かれた空へ。
- いつきスタッフ

- 13 時間前
- 読了時間: 10分
①作業前:静寂の中に満ちる決意と、最終日の瑞々しい朝の風景
朝8時。瑞穂町の現場は、清々しい朝日を浴びて、静かな活気に満ちていました。 国道16号を走る車の音は、土曜日ということもあり、平日の喧騒とはどこか違う、穏やかなリズムを刻んでいます。
現場の入り口に立つと、まず目に飛び込んでくるのは、昨日までに集積された膨大な「材」の山です。ナラの幹、枝葉、そして昨日格闘の末に掘り起こした巨大な根株たち。それらが整然と積み上げられた光景は、ここが単なる作業場ではなく、私たちが8日間かけて命を吹き込んできた「創造の現場」であることを物語っています。
「いよいよ今日で終わりだな。瑞穂の空も、最初に来たときとは見違えるほど広くなった」 「ああ。今日は最後に、この大地を完璧な『白紙』に戻すのが俺たちの仕事だ。最後まで気を引き締めていこう」
スタッフ2名は、作業開始前のミーティングで、現場の最終確認を行います。 本日のメイン作業は、残された材の最終搬出と、歩道際を中心とした精密な抜根、そして仕上げの整地です。
作業員2名という少数精鋭ながら、これまでの8日間で培われた連携は、もはや言葉を介さずとも通じ合う次元に達しています。使用する主な道具は、2.5重機のスケルトンバケット。この重機が、今日の「大地を整える」作業の主役となります。
また、本日の作業において最も重要視すべきマナーは、これまでの継続課題である「国道・歩道の安全確保」と「土石の飛散防止」です。最終日、すべてが終わって私たちがこの場を去ったとき、道行く人々が「あんなに生い茂っていた木々が、いつの間にかこんなに綺麗になったのか」と驚くような、魔法のような変化を提供したい。そのためには、一欠片の泥、一粒の石も国道へ残すことは許されません。
現場内を見渡すと、オレンジ色の防護ネットが風に揺れ、その向こうには近代的な物流施設「ロジポート」の巨大な壁面がそびえ立っています。自然と文明が交差するこの場所で、私たちは今日、最後の一太刀を入れ、最後の一掬いを大地へと捧げます。
軽バンの荷台から、今日使う機材を一つひとつ丁寧に下ろしていくスタッフの背中には、完遂への強い意志が宿っていました。瑞穂町の空に、最後の一日の作業開始を告げる重機の咆哮が響き渡るまで、あとわずか。私たちは深く息を吸い込み、9日間にわたる物語の最終章を書き始める準備を整えました。

②枝、根っこ、幹積み込み:30立米の巨躯が飲み込む、9日間の記憶と成果
作業開始直後から現場に力強いエンジン音が響き渡ります。瑞穂町の空を背に、本日最初の主役である30立米の大型ヒアブ車が定位置に据え付けられました。この車両の任務は、昨日までに私たちが大地から切り離し、丁寧に仕分けてきた枝、根っこ、そして重量感のある幹のすべてを、その巨大な荷台へと収容することです。
赤いクレーンアームが、生き物のような滑らかな動きで旋回を始めました。先端のグラップル(爪)が、まずは山を成していた枝葉や細かな残材をガッチリと掴み上げます。青い空に舞う枝葉は、太陽の光を浴びてキラキラと輝き、まるで長年この地を支えてきたことへの最後の挨拶をしているかのようです。
「まずは嵩(かさ)張る根っこと枝を下に敷き詰めよう。その重みで全体を安定させるんだ」
「了解。幹は最後、パズルのように隙間なく積み込んでいくぞ」
スタッフ2名は、地上とクレーン操作席で息の合った連携を見せます。30立米という容量は膨大ですが、無造作に放り込めばすぐに溢れてしまいます。私たちは、複雑に絡み合う根株をクレーンの自重で押し込み、その空いた隙間に枝を差し込んでいくという、熟練の積載技術を惜しみなく投入しました。
荷台の中を上から見渡すと、そこには私たちが9日間かけて対峙してきたナラの木のすべてが凝縮されています。泥を噛んだ根、荒々しい樹皮を纏った幹、そして瑞々しい枝。それらが整然と、かつ高密度に積み上げられていく様子は、まさにプロジェクトが完成へと向かうダイナミックなカウントダウンです。
この積み込み作業中、私たちが最も神経を尖らせたのが、国道16号への「土石の飛散防止」です。根っこを掴み上げる際、付着した泥や小石が振動で落ちることがあります。
「旋回は必ず敷地の内側を通せ。万が一、歩道側に泥が飛んだら即座に清掃だ」
「手元でしっかり監視している。一欠片も国道へは出さない」
大型車の周囲には、常に手元作業員が目を光らせ、クレーンの動きに合わせて周囲の安全と路面の美観を死守します。国道を走るトラックや乗用車、そして歩道を歩く人々。彼らの日常を一切乱すことなく、この巨大な「画(え)」を完成させることが、プロとしての譲れない矜持です。
やがて、30立米の荷台が材で満たされ、水平に整えられた幹が美しい列をなしたとき、1台目の搬出準備が整いました。重量感たっぷりに現場を後にしていく大型車の後ろ姿を見送りながら、私たちは現場に残された「最後の抵抗」である地中の抜根へと、次なるギアを入れていきました。



③抜根作業:地中の深淵と対峙する、2.5重機スケルトンバケットの精密な「探査」
搬出作業によって地上の材が整理された後、いよいよ本日の核心部である**「③抜根作業」**へと突入しました。地上から木々が消えても、瑞穂町の大地にはナラの巨木たちが数十年かけて張り巡らせた強固な根が、複雑に絡み合って眠っています。これらを一つ残らず解き放つことが、真の「更地」への第一歩です。
今回の主役は、オレンジ色の機体が映える2.5重機。そしてその先端には、土と根を効率よく分けるための「スケルトンバケット」が装着されています。このバケットの格子状の形状こそが、歩道際というデリケートなエリアでの作業において、最大の武器となりました。
「歩道フェンスまでの距離、あと数十センチだ。根の走行方向に注意してくれ」 「了解。バケットを横に滑らせて、フェンスを傷つけないよう慎重に浮かせる」
スタッフは重機を繊細に操り、まずは切り株の周囲をやさしく掘り起こしていきます。スケルトンバケットの隙間から不要な土だけがパラパラと落ち、純粋な「根株」だけが地中からその全貌を現します。国道16号に隣接するこのエリアは、地中に埋設管や縁石の基礎が隠れている可能性もあり、一瞬の油断が大きな事故に繋がります。
重機のアームが力強く、しかし驚くほど静かに土を割り、巨大なナラの根を掴み上げます。大地から「メキメキ」という音とともに根が引き抜かれる瞬間は、この9日間のプロジェクトの中でも最も達成感を感じるシーンの一つです。掘り出された根株は、まるで大地の記憶をそのまま形にしたような、荒々しくも生命力に満ちた造形をしていました。
ここで私たちのプロとしてのこだわり、「土や石の飛散防止」が真価を発揮します。
重機の旋回時は必ず低速で行い、バケットから土がこぼれない角度を維持。
歩道側での作業では、手元作業員が常に監視し、万が一小石がフェンスを越えそうになれば即座に合図を送る。
掘り起こした後の土は、その都度バケットの背で軽く叩いて落ち着かせ、風による砂埃の飛散を最小限に抑える。
「難易度は低」と設定してはいますが、それはあくまで私たちの技術的な習熟度によるもの。実際には、歩道を行き交う人々や走行車両との距離がゼロに近いこの場所で、これほど巨大な根株を次々と引き抜いていく作業は、極めて高い集中力が要求されます。
地中に眠る最後のナラの根が、スケルトンバケットによって空へと持ち上げられたとき、瑞穂町のこの土地は、数十年にわたる「樹木としての役割」を終え、次なる未来へと向かうための「純粋な大地」へと一歩近づきました。


④整地作業:大地の呼吸を整え、次なる物語への「白紙」を創り出す
抜根作業によって地中に眠っていた最後の抵抗を解き放った後、現場はいよいよ最終仕上げである整地作業へと移りました。掘り起こされた跡の凸凹な地面を、鏡のように美しく平坦に整えていくこの工程は、9日間にわたる私たちの活動のすべてを一つの「風景」として完成させる、極めて重要な儀式です。
ここで再び、2.5重機の卓越した操作技術が光ります。先ほどまで根を力強く抉り出していたバケットは、今度は大地の肌を優しく撫でるような繊細な動きへと切り替わりました。
「歩道側の境界線、ミリ単位で高さを合わせてくれ。水が溜まらないよう、わずかに勾配をつけよう」
「了解。バケットの背を使って、地表面を均一に転圧していく」
スタッフは重機のレバーをミリ単位で操り、掘り起こした土を均等に広げていきます。スケルトンバケットで事前に石や根の残骸を取り除いているため、仕上がりの土質は非常に細かく、美しい茶褐色の肌を見せています。バケットの底面を地面に滑らせる「ならし」の作業を繰り返すたび、荒々しかった現場は、まるで新雪が積もった後のような、静謐でフラットな空間へと生まれ変わっていきます。
この整地作業においても、私たちのマナーの核心である「土や石の飛散防止」は徹底されました。
バケットで土を叩いて固める際、粉塵が舞い上がらないよう、地面の湿り具合を確認しながら慎重に圧力を調整。
歩道に隣接する法面(のりめん)は、手作業も交えて丁寧に形を整え、雨が降っても土砂が流出しないよう強固に転圧。
重機のキャタピラが歩道側の縁石に接触しないよう、手元作業員が常に死角をカバーし、安全な作業半径を維持。
「よし、これでどこから見ても完璧な平坦だ。ロジポートの建物とのコントラストが映えるな」
「ああ、国道を行き交う人たちの目にも、この清々しさは届くはずだ」
スタッフ2名は、重機から降りて自らの足で歩き、地面の踏み心地や傾斜を最終確認します。かつて鬱蒼としたナラの森が視界を遮っていたこの場所は、今や瑞穂町の広大な空をそのまま映し出す、美しい「大地のキャンバス」となりました。泥一つ落ちていない歩道と、完璧に整えられた更地。それは、私たちがこの9日間、この土地と誠実に向き合ってきたことの、何よりの証明です。

⑤作業後:夕陽が描く「始まりの地」と、国道16号に刻んだプロの矜持
2026年2月28日、17時。瑞穂町高根の空が茜色に染まり始める頃、私たちはついにすべての工程を完遂しました。9日間にわたる激闘の舞台となった国道16号沿いの現場は、今、劇的な変化を遂げた姿で静かに佇んでいます。かつて空を遮っていたナラの壁はどこにもなく、そこには見渡す限りの広大な更地と、突き抜けるような瑞穂の空が広がっています。
現場全体を見渡すと、2.5重機とスケルトンバケットによって仕上げられた地面が、夕陽を浴びて鏡のように美しく整えられているのがわかります。歩道との境界線も、崩れ一つない完璧な法面(のりめん)を形成し、まるで最初から木など一本も生えていなかったかのような、清々しい原状回復を実現しました。
今回のプロジェクトにおける最大のこだわりであった「安全とマナー」は、最後の最後まで揺らぐことはありませんでした。
路面の徹底清掃:30立米の大型搬出車が何度も往来した国道・歩道には、泥一つ、小石一粒すら残されていません。
飛散防止の完遂:手元作業員による緻密な監視体制のもと、周辺の施設や走行車両に一切の支障をきたすことなく作業を終えました。
地域への配慮:近隣のロジポート利用者や通行人の方々に、安心と「風景が拓ける喜び」を提供できたことは、私たちの何よりの誇りです。
積み上げられたナラの材、そして巨大な根株たちは、すべて大型車によって次なる資源へと旅立っていきました。残されたのは、私たちが心血を注いで整えた「大地」という名の白紙のキャンバスだけです。ここからまた新しい何かが始まり、瑞穂町の未来が作られていく――その基礎を築けたことに、深い達成感を覚えずにはいられません。
相棒の軽バンに最後の清掃用具を収め、泥を落とした機材をメンテナンスする時間は、職人にとって最も静かで、尊い時間です。私たちは、この街の風景を鮮やかに更新したという確かな手応えを胸に、住み慣れた街へとハンドルを切りました。
東京都瑞穂町高根、国道16号プロジェクト。9日間におよぶ長い物語は、最高の晴天と完璧な仕上がりをもって、ここに完結いたします。

記入者: 株式会社 樹
現場: 東京都西多摩郡瑞穂町高根(国道16号沿い)
人員: 2名 完了日: 2026年2月28日(土曜日)
成果: ナラの大規模伐採・25本抜根、30立米大型搬出、精密整地完遂



コメント