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さいたま市中央区・巨木攻略Day4|3トンダンプ投入!職人の「目立て」が光る集積の美学

  • 執筆者の写真: いつきスタッフ
    いつきスタッフ
  • 3 日前
  • 読了時間: 8分

①作業前

2026年4月18日。さいたま市中央区の広大な敷地で繰り広げられている巨木伐採プロジェクトは、ついに4日目を迎えた。連日の快晴。遮るもののなくなった空からは、初夏を思わせる力強い陽光が現場を照らしている。

本日の布陣は、昨日同様の2人体制。しかし、車両編成には大きな変化がある。いつもの機動力重視の軽バンに加え、今日は「3トンダンプ」を現場へと走らせた。これは、これまで積み上げてきた膨大な材を、いよいよ「搬出」へと繋げるための準備が整いつつある証拠だ。

現場に到着し、まずは周囲の安全確認を行う。初日には25mもの高さで空を覆っていた枝葉はすでに姿を消し、今は整然と積み上げられた幹の山と、数本の主幹が残るのみ。景色の変わりように、改めて自分たちの歩みを感じる。

「今日は残る1本の広葉樹を仕留め、その後は徹底的に集積の精度を上げるぞ」

相棒と短く目標を共有する。8時の音出し制限解除まで、私たちは静かにチェーンソーの燃料を補給し、重機(ユンボ)のグリスアップを行う。2人という最小限のユニットに、3トンダンプとユンボという重戦力が加わる4日目。今日でこの現場の「形」を完全に決定づける。そんな心地よいプレッシャーの中、静かに作業の火蓋が切られた。




②伐倒作業

準備を整え、本日唯一にして最大の山場である広葉樹の伐倒に取り掛かる。枝を払い、天を突く巨大な「柱」となったその姿は、4日目にしてなお圧倒的な存在感を放っている。

2人体制の今日は、昨日以上に「一撃」の精度が求められる。3トンダンプや重機が配置された敷地内では、倒す方向のわずかな狂いも許されない。私は木の重心を何度も確認し、相棒とのアイコンタクトで最終的な「落とし所」を共有する。

「受け口、入れるぞ」

静寂の中にチェーンソーの鋭い音が響き渡り、カシの硬い木質が削られていく。正確なV字の受け口を刻み、反対側から追い口を慎重に切り進める。木の倒れる方向を制御する「ツル」の厚みをミリ単位で残し、クサビを打ち込む。

「倒れるぞ!!」

地響きを立ててゆっくりと、しかし確実に、巨木が計算通りのラインを描いて地上へと平伏した。狙い通りの着地地点。巻き上がる土煙とともに、空が一段と広く開ける。この一本の伐倒が、4日間の重厚な日々の集大成のように感じられた。







③玉切り作業

轟音と共に横たわった25mの巨躯。しかし、倒したままではただの巨大な障害物でしかない。ここからは、この「山の塊」を搬出可能な「材」へと変えていく、スピード感溢れる解体作業が始まる。

3トンダンプでのピストン輸送を想定している本日の作業では、玉切りのサイズ設定が極めて重要になる。ダンプの荷台に無駄なく収まり、かつ後工程で扱いやすい長さを瞬時に判断し、次々と刃を入れていく。

「よし、この太さなら40cm刻みだ」

2人体制の現場では、一人が切り、もう一人がすぐに重機で捌くという連携がリズムを生む。広葉樹は非常に密度が高く、倒れた際の自重で幹に複雑な圧力がかかっている。不用意に切れば、昨日経験したように刃が挟まったり、材が予期せぬ方向に跳ねたりする。私は材の接地状態を鋭く観察し、上から、あるいは下からと、逃げ場を作るようにチェーンソーを走らせる。

切りたての幹から溢れ出す、力強い木の香りが鼻腔をくすぐる。一本の巨大な柱が、熟練の技術によってゴロリ、ゴロリと手際よく規格化された丸太へと姿を変えていく。この「解体」のスピードこそが、2人という少人数でありながら、広大な敷地を一日で劇的に変化させる鍵なのだ。






④ユンボで枝集積作業

伐倒・玉切りと並行して、現場の機動力を支えるのがユンボによる「枝の集積」だ。25m級の広葉樹から出た枝葉のボリュームは凄まじく、放置すればあっという間に足の踏み場も、次に木を倒すスペースも失ってしまう。

ここでオペレーターが意識するのは、単なる「ゴミまとめ」ではない。後日の搬出時にパッカー車や大型ダンプが積み込みやすいよう、枝の向きを揃え、適度な密度で圧縮しながら積み上げていく「プロの段取り」だ。

ユンボのグラップルが、ジャングルのように絡み合った枝を力強く掴み上げ、指定の集積ポイントへと運んでいく。2人体制では、私が地上で細かな枝を払い、相棒がそれを重機で即座に回収する。この無駄のないサイクルが、17号線近くの限られた敷地内に「整然とした静寂」を取り戻していく。おが屑にまみれた地面が再び顔を出すたび、現場の安全性が一段階ずつ高まっていくのを肌で感じる。




⑤ユンボで幹集積作業

枝葉が片付き、現場に広い「土間」が戻ってきたところで、いよいよ重量物である幹の集積へと移る。ここでの主役も、グラップルを装着したユンボだ。

伐倒し、玉切りを終えたばかりの広葉樹の幹は、水分をたっぷり含んでおり、人間が数人がかりで押してもびくともしない重量がある。しかし、ユンボの力強い爪にかかれば、それらはまるで積み木のように軽々と持ち上げられていく。

「よし、一番重い材を土台にして、明日運び出しやすいように並べよう」

2人体制の今日は、私が地上で重機の死角を確認しながら合図を送り、相棒がミリ単位のレバー操作で材を積み上げていく。ただ一箇所に固めるのではなく、後から3トンダンプや大型車両を横付けした際、最短ルートで積み込みができるよう計算して配置するのがプロの仕事だ。

重機が材を掴むたび、地面からズシリとした振動が伝わってくる。初日には見上げるほど高かった25mの巨木たちが、今や機能的に集約された「材の山」へと姿を変えた。この圧倒的な光景の変化こそ、重機の機動力と職人の段取りが合致した時にのみ現れる、現場の醍醐味である。




⑥目立て作業

午前中の激しい伐倒と玉切りを終え、チェーンソーの刃には広葉樹特有の硬い繊維による摩耗が蓄積している。午後の作業を前に、避けては通れないのが「目立て(刃研ぎ)」だ。

丸太に腰を下ろし、丸ヤスリを手に取る。一刃一刃、適切な角度でヤスリを押し進めると、「シュッ、シュッ」という規則正しい音が現場の静寂に響く。これは単なるメンテナンスではない。午後の作業効率を左右し、何より自分の身を守るための「儀式」のようなものだ。

「よし、これでまた吸い付くような切れ味が戻った」

目立てが完璧に決まったチェーンソーは、力を入れずとも自重だけで材に吸い込まれていく。逆に刃が鈍れば、無理な力が入り、キックバックなどの事故を招く。2人体制という限られた人数だからこそ、道具の不調でリズムを崩すわけにはいかない。おが屑が粉ではなく、大きな「チップ」となって飛び散る快感を想像しながら、私は一本のソーチェンを丹念に研ぎ上げた。




⑦幹集積状況

目立てを終え、吸い付くような切れ味を取り戻したチェーンソーで午後のスパートをかける。次々と玉切りされた材を、相棒がユンボで一箇所に集約していく。

夕刻が近づくにつれ、現場には圧倒的な存在感を放つ「幹の要塞」が完成した。3トンダンプでの搬出、さらには後日の大型車両による運び出しを想定し、ただ積み上げるのではなく、機能的に「整列」させているのがポイントだ。

太い幹を土台として安定させ、その上に同程度の長さの材を積み重ねる。この緻密な集積作業こそが、現場の美観を保つだけでなく、積込時の作業時間を大幅に短縮させる。かつて25mの高さで空を支配していた広葉樹たちは、今や職人の手によって、次の命(材)へと繋がるための完璧な「出番待ち」の状態へと整えられた。



⑧枝集積状況

幹の集積と並行して進めていた「枝の集積」も、もはや芸術的な域に達している。広葉樹特有の暴れる枝葉を、ユンボの重圧で適度に圧縮し、まるで一つの巨大な塊のようにまとめ上げた。

「これなら搬出班も一気に掴めるはずだ」

枝葉をバラバラに散らさず、一箇所に高く集積することで、敷地内の動線は驚くほど広く確保された。4日間の激闘で発生した膨大な「山の名残」は、今や機能的なストックへと姿を変えている。この「後工程への思いやり」こそが、私たち2人が守り続けている現場の流儀である。




⑨作業後

西日が現場を長く照らし出す頃、さいたま市中央区の空は、初日には想像もできなかったほど広く、高く感じられるようになっていた。3トンダンプのエンジンを切り、4日目の全工程が終了した。

2人体制という挑戦的な布陣で挑んだ今日。振り返れば、朝一番の伐倒から、繊細な目立て作業、そしてユンボを駆使した集積作業と、一瞬も無駄のない時間が流れていた。かつて視界を遮っていた25mの巨木たちは、今や「材」として整然と一箇所にまとめられ、搬出の時を待っている。

作業後の現場を見渡すと、そこには職人の矜持が宿っているのがわかる。散乱していた枝葉は一つに集約され、主幹は積み木のように美しく積み上げられた。この「整理整頓」こそが、翌日以降の搬出作業を劇的にスムーズにし、ひいては近隣の方々への安心感へと繋がるのだ。

「今日もいい仕事ができたな」

相棒と短く言葉を交わし、ダンプの荷台を確認する。3トンダンプの導入により、現場の機動力は格段に向上し、いよいよこの長期プロジェクトも最終局面へと突入する。明日はいよいよ、積み上げたこれらの材を現場から解き放つ「搬出」のメインステージだ。

静まり返った現場に、春の夜風が吹き抜ける。私たちは、この地元の風景の一部を新しく書き換えた充足感を胸に、明日への備えを整えて現場を後にした。






記入者: 株式会社 樹

現場: 埼玉県さいたま市中央区 個人宅

人員: 2人

完了日: 2026/04/18(作業4日目・伐倒完了および集積完了)

成果: 広葉樹1本の伐倒を完遂し、25m級の玉切り・枝払いを実施。3トンダンプとユンボの連携により、枝と幹を機能的に分けた「搬出特化型」の集積を完了。目立てによる道具の維持を徹底し、少人数ながら極めて高い作業効率と安全性を維持した。

 
 
 

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