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坂戸市赤尾・桜公園の安全を守る。樹高20mのクヌギ剪定と、春を待つ桜並木への細やかな配慮

  • 執筆者の写真: いつきスタッフ
    いつきスタッフ
  • 6 時間前
  • 読了時間: 7分

①作業前

空はどこまでも高く、突き抜けるような青が広がっている。3月17日、埼玉県坂戸市赤尾。赤尾堤桜公園の朝は、まだ冬の名残を感じさせる凛とした冷気に包まれていた。今日でこの現場も2日目。見上げれば、春の主役を待つ桜の枝先が、柔らかい陽光に照らされている。

今回のミッションは、樹高20mに達するクヌギの剪定、そして道路面に大きく張り出した桜の枝の整理だ。公園という公共の場であり、すぐ側には生活道路が通っている。我々「株式会社 樹」の職人にとって、ここは単なる作業現場ではない。地域の方々が安心して春を迎えられるよう、安全というバトンを繋ぐ場所だ。

朝一番、3人のメンバーで入念に打ち合わせを行う。8時を過ぎるまでは、静寂を壊さないよう手作業での準備を進めるのが我々のマナーだ。道路を行き交う車、散歩を楽しむ地域の方々。その一人ひとりの安全を第一に考え、重機に頼らず軽バンと軽トラ、そして自らの腕一本でこの巨木に挑む。2日目という慣れが油断を招かぬよう、足元の感触を確かめ、高鳴る鼓動を抑えながら作業開始の時を待つ。




②玉切り

20mのクヌギの剪定作業が本格的に始まった。切り落とされた枝は、地上で待機する職人によって、手際よく「玉切り」にされていく。軽トラに人力で積み込む際、最も効率よく、かつ安全に運べるサイズを見極め、一本一本の枝にチェーンソーの刃を入れ、小気味よい音を立てて刻んでいく。

クヌギの木は硬く、繊維が詰まっているため、不用意に刃を入れれば、チェーンソーが跳ね返される「キックバック」の危険を孕んでいる。住宅街にほど近い坂戸市赤尾の現場では、騒音を最小限に抑え、作業をスムーズに進めることも、プロとしての矜持だ。切り離した瞬間の「跳ね」にも注意を払い、常に安全な距離を保ちながら作業を進める。

3人のメンバーが互いの位置を常に把握し、声を掛け合いながら進める。住宅が近いこの現場では、音出しの時間は限られている。効率よく、かつ確実に。職人の意地が、チェーンソーの刃先から伝わってくる。




③運搬集積

玉切りで手際よく刻まれたクヌギの枝を、今度は人力で一箇所に集めていく。20m級の巨木から切り出された枝は、一本一本がずっしりと重く、水分を蓄えた生木特有の重みが肩に深く食い込む。公園の柔らかな土に足を取られないよう踏みしめながら、軽トラが待つ場所まで何度も往復を繰り返す。

重機を入れれば一瞬の作業かもしれないが、ここは市民の憩いの場である赤尾堤桜公園だ。繊細な桜の根を傷つけず、公園の景観を保つためには、やはり「人間の手」による運搬が一番確実で優しい。我々3人の連携が試される時間でもある。一人が運び、一人が受け取り、もう一人が軽トラの荷台で隙間なく積み上げていく。この無駄のない動きこそが、現場の停滞を防ぐ鍵となる。

作業が進むにつれ、額からは大粒の汗が流れ落ちる。しかし、積み上げられた枝の山が高くなるほど、現場の達成感もまた積み上がっていく。道路を行き交う車や散歩中の方々の邪魔にならないよう、集積場所の配置にも細心の注意を払う。ただ運ぶのではない。この場所を利用するすべての人への配慮を忘れないこと。それが「樹」が大切にしている現場の流儀だ。




④除伐

現場の焦点は、クヌギの剪定から道路面に大きく張り出した桜の枝の整理へと移る。ここでの「除伐」に近い枝打ち作業は、単に不要な枝を取り除くこと以上の意味を持つ。目前に迫る桜の季節、赤尾堤桜公園を訪れる人々が、そしてこの道を通る車が、何の不安もなく見上げられる空を作ること。それが今日の我々の使命だ。

道路に覆いかぶさるように伸びた枝は、大型車との接触リスクだけでなく、強風時の折損による事故の火種にもなり得る。我々は一本一本、枝の重なりと将来の伸び方を見極めながら、慎重に鋏とチェーンソーを使い分ける。特に道路面での作業は、一瞬の油断が大きな事故に直結する。車が来れば作業を止め、歩行者が通れば笑顔で安全を確保する。地域に根ざした作業だからこそ、技術と同じくらい「見守る目」が重要になるのだ。

枝を落とすたびに、道路に落ちる影が薄くなり、見通しが劇的に改善されていく。鬱蒼としていた空間に光が通り、公園本来の清々しさが戻ってくる。20m級のクヌギと格闘しながら培った3人の連携は、この繊細な桜の枝打ちでも遺憾なく発揮される。安全を積み重ね、景観を整える。その先に、もうすぐ訪れる満開の春があることを、我々は確信しながら作業を続ける。




⑤積み込み

集積場所に積み上げたクヌギの枝を、軽トラの荷台へと積み込んでいく。ここからは、限られた積載スペースをいかに無駄なく使い切るか、職人の「パズル」のような思考が試される時間だ。人力での積み込みは、ただ放り込めばいいというものではない。太く重い幹の部分を土台として安定させ、その隙間を縫うように細い枝を差し込んでいく。

坂戸市赤尾の現場周辺は、穏やかな風景が広がっているが、運搬中に枝一本落とすことも許されない。荷台からはみ出さないよう、そして走行中の振動で荷崩れを起こさないよう、重心を低く、密度を高く。3人で声を掛け合いながら、一本、また一本と積み上げていく。腕の筋肉はすでに悲鳴を上げているが、ここで手を抜けば、往復の回数が増え、結果として現場全体の効率を下げてしまう。

最後はオレンジ色の防護ネットを被せ、しっかりと固定する。この「最後の一手間」こそが、公道を走る者としてのマナーであり、プロとしての責任だ。パンパンに積み上がった荷台を見て、ようやく一息つく。重機のない現場だからこそ味わえる、自分たちの手でやり遂げたという確かな手応えが、そこにはあった。




⑥目立て

15時という作業終了のデッドラインが近づいてくる。しかし、焦りからメンテナンスを怠ることは、職人として最も慎まなければならない。特にクヌギのような硬い木を相手にした後のチェーンソーは、その刃先が悲鳴を上げている。私は軽バンの傍らに腰を下ろし、丸ヤスリを手に取った。

一本ずつの刃に対し、一定の角度と絶妙な押し出し加減でヤスリを滑らせる。目立ては、単なる「研ぎ」ではない。午後の残り少ない時間で、いかに正確に、そして安全に作業を完遂させるかを決める「魂入れ」の儀式だ。刃が鈍れば、無理に力を入れることになり、それは即座に事故への引き金となる。住宅街に隣接するこの赤尾の現場では、静かに、かつ鋭く切れる状態を保つことが、騒音抑制という最高のマナーにも繋がる。

また、今日の我々にはもう一つの重要な任務がある。15時半からは近隣への営業回りが控えている。現場を離れ、新たな施主様とお会いする際、我々の道具が泥にまみれ、手入れもされていないようでは信頼は得られない。道具を慈しみ、完璧に整える。その姿勢こそが、次に繋がる「樹」のブランドそのものなのだ。研ぎ澄まされた刃を太陽に透かし、最後の一仕事に向けて再びエンジンを始動させる。




⑦作業後

15時。予定していた作業がすべて完了した。見上げれば、あれほど鬱蒼と道路側にせり出していた桜の枝が整理され、春の柔らかな光が路面にまっすぐ届いている。20m級のクヌギも、職人の手によって適切な姿へと整えられ、公園全体の風通しが劇的に改善された。

作業を終えた後のこの景色こそ、我々職人が最も報われる瞬間だ。道路を行き交う車や散歩を楽しまれる方々にとって、この「見通しの良さ」はそのまま「安心」に直結する。2日間、一歩一歩積み重ねてきた安全へのこだわりが、この清々しい景観の中に凝縮されている。

達成感に浸る間もなく、次のミッションが待っている。15時半からは現場の近隣への営業回りだ。我々の仕事は、木を切るだけではない。地域の方々の困りごとに耳を傾け、信頼を築いていくことも大切な職務だ。剪定を終えたばかりの公園の空気を深く吸い込み、我々は清々しい気持ちで新たな出会いへと向かう準備を整えた。




⑧ゴミ出し

作業の締めくくりは、伐採した枝葉の「ゴミ出し」だ。軽トラの荷台いっぱいに積み込まれたクヌギや桜の枝葉を、処分場へと搬出する。この「現場から運び出す」工程が終わるまでが我々の仕事であり、ここでも一切の妥協は許されない。

過積載にならないよう、そして走行中に枝一本たりとも公道へ落とさないよう、荷締めベルトでガッチリと固定する。バックミラー越しに荷台の安定を確認し、ゆっくりとアクセルを踏み込む。赤尾堤桜公園の穏やかな風景を背に、地域の方々に「ありがとうございました」と心の中で告げながら現場を後にする。

現場を「来た時よりも美しく」して去る。これはナレッジに記された「株式会社 樹」の揺るぎない矜持だ 。枝葉をすべて運び出した後の公園には、我々が作業した証として、ただ清々しい空気が流れている。15時半からの営業回りという次のステージへ向けて、我々は満載の軽トラと共に、春を待つ坂戸の街を静かに走り出した。



記入者: 株式会社 樹

現場: 埼玉県坂戸市赤尾(赤尾堤桜公園)

人員: 3人

完了日: 2026/03/17

成果: 樹高20m級のクヌギの精密剪定、および桜の木の道路面剪定を完遂。公園内の景観改善と道路通行の安全を確保し、予定通り15時に全作業を終了した。


 
 
 

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