東京都瑞穂町・国道16号沿い伐採プロジェクト:4日目。巨木15本完遂と、大地に挑む「抜根」の総仕上げ。
- いつきスタッフ

- 10 時間前
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①作業前:祝日の朝日と、変わりゆく瑞穂町のスカイライン
2026年2月23日。本日は祝日ですが、私たちのプロジェクトに休みはありません。瑞穂町の空は、昨日に引き続き見事なまでの快晴。澄み渡る青空の下、国道16号沿いの現場に到着したとき、私たちの目に飛び込んできたのは、3日間で作り上げた「確かな成果」と、未だ立ちはだかる「最後の難所」が混在する景色でした。
背後にそびえる巨大な物流倉庫「ロジポート」の白い壁面と、突き抜けるような青空。その手前で、天高く枝を伸ばすナラの木々が、朝日を浴びてシルエットのように浮かび上がっています。樹高15〜20メートル。この3日間で何本もの巨木を大地へと下ろしてきましたが、残された木々もまた、圧倒的な存在感を放っています。
ガードレール越しにすぐそこまで迫る走行車両。この至近距離こそが、4日目になっても私たちが片時も忘れられないプレッシャーの源です。しかし、2日目までの鬱蒼とした暗さはすでになく、現場には「光」が差し込み始めています。
「今日は祝日か。国道もいつもよりレジャーの車が多いな」
「安全確認、昨日以上に徹底していこう」
スタッフ4人は、冷えた空気の中で静かに、しかし力強く意思疎通を図ります。足元に目をやれば、これまでの激闘を物語る切り株や、複雑に絡み合った枝葉の山が広がっています。本日のミッションは、これら残されたナラ15本の完全伐倒、そして大地に深く潜む根を抉り出す「抜根作業」の総仕上げ。さらには、発生した膨大な枝・幹・根っこの集積まで、一瞬の無駄も許されない過密なスケジュールが待っています。
相棒の軽バンからチェーンソーを下ろし、防護服に身を包む職人たち。その横顔には、4日目という疲労を感じさせない、プロフェッショナルとしての鋭い集中力が宿っていました。瑞穂町の空を、もっと広く。国道を行き交う人々が思わず目を見張るような、新しい風景を作るための戦いが、今再び幕を開けました。


②伐採作業:壁際の緊張と、執拗な「ツル」を断つ一太刀
朝日が完全に昇り、現場にチェーンソーの鋭いエンジン音が響き渡ります。本日のメインミッションは、樹高15〜20メートルに達するナラの巨木群をすべて大地へと下ろすこと。しかし、そこにはこの現場特有の、極めて高いハードルが立ちはだかっていました。
まず直面したのは、隣接する物流倉庫の「壁際」という制約です。巨木は建物のすぐ側に並んで立っています。倒す方向を数センチでも誤れば、建物やフェンスを破壊しかねません。私たちは慎重に「受け口」の角度を計算し、まるで外科手術のような精密さでチェーンソーを幹に入れていきます。
さらに、昨日から私たちを苦しめている「ツル」が、4日目になってもその牙を剥きます。ナラの幹には無数の太いツルが、まるで血管のように執拗に絡みついているのがわかります。これが伐採の難易度を劇的に跳ね上げます。ツルが絡まったままでは、切り離した枝が予期せぬ方向に跳ねたり、隣の木に引っかかって「空中ブランコ」状態になり、地上スタッフを危険に晒すからです。
「このツル、昨日より太いぞ。一本ずつ確実に断ち切るぞ!」
スタッフの鋭い声が飛び交います。
複雑に絡み合う枝の隙間に体を割り込ませ、重いチェーンソーを自在に操る職人の姿。それは、自然の荒々しさと人間の知恵が真っ向からぶつかり合う、真剣勝負そのものでした。4日目という疲労が蓄積する中でも、一太刀ごとに集中力を高め、私たちは一本、また一本と、瑞穂町の空を塞いでいたナラの壁を、確実かつ安全に大地へと下ろしていきました。




③抜根作業:重機の咆哮と、地中に眠る「ナラの巨根」との死闘
伐採によってナラの巨木たちがその姿を消した後は、地中に深く、そして広大に張り巡らされた「根」との戦いが始まります。瑞穂町の硬い土壌に数十年、あるいはそれ以上の年月をかけて根を下ろしたナラのエネルギーは凄まじく、この工程こそが現場の風景を根本から変えるための最大の難所です。
ここで主役となるのは、私たちの最強のパートナー、コンマ0.25ユンボ(バックホウ)です。写真をご覧いただければ、そのダイナミックな稼働風景が伝わるはずです。ユンボのアームが唸りを上げ、バケットが地中深くへと突き刺さるたび、現場には「ズズズ……」という大地が鳴るような地響きが伝わります。
ナラの根は非常に強靭で、ただ力任せに引っ張るだけではびくともしません。オペレーターはユンボのバケットを器用に操り、まずは切り株の周囲を丁寧に掘り下げていきます。
太い側根が一本ずつ姿を現すたびに、ユンボのパワーとテクニックでそれらを断ち切っていきます。これは、まさに大地を相手にした「外科手術」のような緻密な作業です。
この作業中に特に神経を使うのが、昨日から私たちを苦しめ続けている「ツル」の残骸です。地中にまで入り込んだツルが根と複雑に絡み合い、掘り起こす際の大きな抵抗となります。さらに、ここは国道16号のすぐ脇。抜根の衝撃や振動が、道路側のフェンスやガードレール、さらには地中の埋設物に影響を与えないよう、地上スタッフはユンボの死角に立ち、ミリ単位の合図を送り続けます。
格闘すること数時間。ついに大地を掴んでいた巨大な根株が、泥を跳ね上げながら地上へと抉り出されました。掘り起こされた根の巨大な塊を目の前にすると、改めて自然の生命力の強さを実感せずにはいられません。
「よし、これでようやく地面が平らになるな」
スタッフが漏らしたその言葉とともに、瑞穂町の現場は「山」から「土地」へと、その表情を大きく変えていきました。重機の咆哮が止んだ後、そこには今日という日の激闘を物語る、掘り起こされたばかりの土の香りが立ち込めていました。


④お昼:祝日の喧騒を離れ、切り株の特等席で味わう「職人の活力」
国道16号を絶え間なく行き交う大型車の走行音をBGMに、12時の合図とともに現場には束の間の静寂が訪れます。本日は祝日ということもあり、国道はいつも以上にレジャーへ向かう車で賑わっていますが、一歩現場に足を踏み入れれば、そこは職人たちだけの神聖な休息の場です。
今日の「現場食堂」は、まさに伐採現場ならではのワイルドかつ贅沢なスタイルです。自分たちが先ほどまで格闘していたナラの巨木の丸太や、どっしりと大地に残った切り株を椅子代わりにして腰を下ろします。
冬の澄んだ空気の中、陽光を浴びながら切り株に座って食べる温かいお弁当は、どんなレストランの食事よりも深く身体に染み渡ります。食事を囲みながら交わされるのは、午前中の作業の振り返りや、午後の「玉切り・集積」に向けた作戦会議。
「今日のナラは壁際で神経使ったけど、綺麗に倒せてよかったな」
「午後は集積がメインだ。重機の動きに合わせて、地上も一気に片付けていこう」
職人のすぐ側には午前中に積み上げた巨大な枝葉の山がそびえ立っています。自分たちの仕事の成果を目の前に、瑞穂町の広い空の下で仲間と同じ目線で語り合うこの時間は、単なる休息以上の価値を持ちます。4人のチームワークがさらに強固なものへと再構築され、午後の難関へと立ち向かうための「心のガソリン」が、一人ひとりの身体に満たされていきました。
13時。お弁当の容器を丁寧にまとめ、現場を清掃して立ち上がる職人たちの表情には、午後の仕上げ作業へと向かうための、新たな鋭い闘志が宿っていました。

⑤玉切り作業:巨木を「材」へと昇華させる、職人の一太刀
樹高15〜20メートルに及んだナラの巨木たちは、伐倒された状態ではただの巨大な「塊」に過ぎません。これらを次の工程である「大型搬出」に繋げるため、一定の長さに切り揃えていくのが玉切り作業です。
スタッフは横たわった幹に対して、迷いのない手つきでチェーンソーを入れていきます。今回のミッションでは、搬出効率を最大化させるために、なるべく幹を均一な長さで切ることにこだわりました。これは単なるマナーではなく、積み込み時の安定性を高め、輸送中の安全を確保するためのプロの技術でもあります。
玉切り作業は一見単純に見えますが、実は極めて高い集中力を要します。
荷重(テンション)の計算: 横たわった幹には自重によって複雑な力がかかっており、不用意に切断すると切り離した瞬間に材が跳ねたり、チェーンソーの刃が挟まって抜けなくなる「噛み込み」が発生します。
壁際での慎重な操作: 物流倉庫の壁やフェンスのすぐ脇に横たわった材を捌く際は、刃先が建物に触れないよう、ミリ単位の操作が求められます。
同時に、枝葉の処理も並行して進められます。細かな枝はチェーンソーで細断し、コンマ0.25ユンボのフォークを使って一箇所に整然と積み上げていきます。
この作業中、祝日ということもあり、近隣住民の方から「祭日なのに(作業してくれて)ありがとうございます」という温かいお言葉をいただきました。一方で、国道沿いという立地ゆえの厳しいご意見をいただく場面もありましたが、私たちはその全てを真摯に受け止め、作業マナーの徹底で応えました。
切り分けられたナラの丸太が山を成し、瑞穂町の現場に清々しい木の香りが漂い始めるとき、荒々しかった「伐採現場」は、次の搬出を待つ「整えられた空間」へとその姿を変えていきました。


⑦作業後:国道16号に差し込む「新しい光」と、明日への轍
夕暮れ時、瑞穂町の空が深いオレンジ色に染まり始める頃、現場には4日間の全工程を完遂したという、静かですが確かな達成感が漂っていました)。
作業開始前、視界を完全に遮っていたあの巨大な「ナラの壁」はもうどこにもありません。そこにあるのは、どこまでも高く広がる瑞穂町の青空と、地中の巨大な根までをも抉り出し、重機で平坦に整えられた清々しい大地です。樹高15〜20メートル級のナラ15本をすべて仕留め、枝、幹、そして強靭な根っこまでを完璧に集積したこの景色は、まさに職人たちの意地の結晶と言えます。
今回の4日目は、祝日ということもあり、国道16号はいつも以上の賑わいを見せていました。作業中、近隣住民の方から「祭日なのに(作業してくれて)ありがとうございます」という、心温まる感謝のお言葉をいただく場面がありました。一方で、現場の移動中に「軽バンがパンクする」という、4日間の疲労が道具に出たかのようなトラブルにも見舞われました。しかし、私たちはその全てを糧に変え、安全という絶対的な使命を全うしました。
ガードレール一枚隔てたすぐ側を車が疾走する極限の環境下で、無事故・無災害でこの広大な空間を切り拓いたことは、私たちの大きな誇りです。一旦現地に集積された膨大な材や根っこたちは後日、大型車両によってこの場所を旅立ち、資源としての新たな役割を担うことになります。
瑞穂町の新しい風景に、明日からは心地よい風が吹き抜けることでしょう。私たちは、この街の「緑の守り手」としての誇りと、パンクを修理し再び力強く走り出す軽バンの轍を大地に刻み、充実感とともに現場を後にしました。瑞穂町高根、国道16号プロジェクト。これにて、真の意味での完了です。


記入者:株式会社 樹
現場: 東京都西多摩郡瑞穂町高根(国道16号沿い)
人員: 4名 完了日: 2026年2月23日(祝日・月曜日)
成果: ナラ15本伐倒・全数抜根、枝幹根の現地集積完了、完了



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