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東京都瑞穂町・国道16号沿い伐採プロジェクト:5日目。ナラの巨木15本完遂と、整地が拓く新たな地平。

  • 執筆者の写真: いつきスタッフ
    いつきスタッフ
  • 2 日前
  • 読了時間: 9分

①作業前:国道16号の鼓動と、変わりゆく現場のスカイライン


2026年2月24日、火曜日。瑞穂町の空は、私たちの挑戦を静かに見守るような澄み渡る青空が広がりました。朝8時、私たちが現場に足を踏み入れたとき、隣接する国道16号はすでに大型トラックや通勤の車で行き交い、この地域の経済を支える力強い鼓動を刻んでいました。

まずは、本日最初の情景を思い浮かべてみてください。背後にそびえ立つ巨大な物流倉庫の白い壁面を背景に、冬の朝日を浴びたナラの木々がシルエットのように浮かび上がっています。樹高15〜20メートル。4日間に及ぶ激闘を経て、かつては鬱蒼としていたこのエリアも、今では陽光が地面の隅々まで行き渡る、明るく風通しの良い空間へと変貌を遂げつつあります。

別の角度から現場を見渡せば、ガードレール越しにすぐそこまで迫る走行車両の列が確認できます。この至近距離こそが、5日目を迎えてもなお、私たちが片時も忘れることのない緊張感の源です。しかし、そこには連日の作業で積み上げられた「確かな成果」が刻まれています。

「今日は平日。国道の交通量も多いな」 「歩行者への目配り、昨日以上に徹底していこう」

スタッフ4人は、冷えた空気の中で短く、しかし力強く今日の目標を確認し合います。足元に目をやれば、これまでの激闘を物語るナラの切り株や、整然と積み上げられた枝葉の山が広がっています。本日のミッションは、残されたナラの完全伐倒、発生した膨大な枝・幹・根っこの集積、そして大地に深く潜む根を抉り出した後の「整地」まで。一瞬の無駄も、一瞬の気の緩みも許されない、濃密な一日が始まります。

相棒の軽バンから、入念にメンテナンスされたチェーンソーを降ろす職人たち。防護服に身を包み、ヘルメットのシールドを下ろすその横顔には、4日間の疲労を感じさせない、プロフェッショナルとしての鋭い集中力が宿っていました。

瑞穂町の空を、もっと広く。そして、この土地を次なるステップへと引き渡すために。国道を行き交う人々が思わず目を見張るような、美しく機能的な仕上がりを目指す戦いが、今再び幕を開けました。



作業前
作業前

②玉切り:巨木を「材」へと昇華させる、職人の精密な一太刀


大地に横たわった樹高15〜20メートル級のナラたちは、そのままだと重機でも手に負えない巨大な「塊」に過ぎません。これらを次の工程である大型搬出に適したサイズに整えていくのが、玉切り作業の役割です。

作業員は、チェーンソーの刃を丸太に対して垂直に、そして迷いなく入れていきます。一見すると単純な作業に見えますが、ここには熟練の判断力が凝縮されています。横たわった巨木には、自重や地面の凹凸によって複雑な「荷重(テンション)」がかかっており、不用意に切り進めると、切り離した瞬間に材が予想外の方向に跳ねたり、重みで刃が挟まって抜けなくなる「噛み込み」が発生したりするからです。

特に今回の現場は、すぐ隣を国道が走る限られたスペースです。切り分けられた丸太が不用意に転がってガードレールや歩道側に影響を与えないよう、足場の安定を確認し、必要に応じてユンボで材を固定しながら、一本ずつ丁寧に切り揃えていきました。

また、私たちの「なるべく幹を綺麗に切る」というこだわりは、単なる見た目の美しさだけではありません。切り口を揃えることで、後の集積作業での積み上げが安定し、大型車両へ積み込む際も隙間なく効率的に積載することが可能になります。

冬の澄んだ空気の中、断裁されたばかりのナラの断面からは、力強くも瑞々しい木の香りが立ち上ります。4人のスタッフが阿吽の呼吸で連携し、次々と丸太の山が築かれていく様子は、まさに職人集団による「整理の芸術」です。瑞穂町の景色は、荒々しい伐採の段階を越え、整然とした資源の集積地へと着実にその姿を変えていきました。



玉切り作業中
玉切り作業中


③枝切り落とし作業:樹上の闘いと地上の連携


伐倒作業と並行して行われるこの「枝切り落とし」は、現場の安全と効率を左右する極めて重要な工程です。特に樹高が15メートルから20メートルに達する今回のナラの巨木たちを相手にする場合、地上へ下ろす前の「枝払い」が、その後の作業負担を大きく変えることになります。

国道16号に隣接するこの現場では、枝一本を落とすのにも細心の注意が必要です。走行する車両や歩行者に枝が飛び出さないよう、スタッフは周囲の状況を常に監視し、ガードマンと息を合わせながら作業を進めます。樹上に登るクライマーは、複雑に絡み合った枝を一本ずつ見極め、チェーンソーで鮮やかに切り離していきます。

この作業で最大の障壁となったのは、連日私たちを苦しめている「ツル」の存在です。枝から枝へと蜘蛛の巣のように張り巡らされたツルは、切り離した枝を空中で静止させたり、予期せぬ方向へ跳ね飛ばしたりする「伏兵」となります。


「ツルが絡んでるぞ!下、気をつけろ!」


鋭い警告の声が現場に飛び交います。地上スタッフは、落下してくる枝の軌道を予測し、即座に安全な場所へと引き込みます。切り落とされた枝は、地上でさらに細かく裁断され、コンマ0.25ユンボのフォークによって整然と積み上げられていきました。

空を覆っていた無数の枝が取り払われるたびに、瑞穂町の空が一段と広く、明るく開けていくのがわかります。この「枝切り落とし」こそが、荒々しい巨木を扱いやすい「材」へと変え、現場に光を取り戻すための不可欠なステップなのです。



枝落とし作業中
枝落とし作業中


④お昼ごはん:切り株の特等席と、束の間の静寂


12時の合図とともに、現場を支配していたチェーンソーの咆哮が止まり、国道16号を流れる車の走行音だけが遠くに聞こえる穏やかな時間が訪れます。5日目ともなると、スタッフ4人の動きは完全にシンクロしており、言葉を交わさずとも阿吽の呼吸で休憩の準備へと移ります。

今日のランチタイムも、伐採現場ならではのワイルドかつ合理的なスタイルです。自分たちが先ほどまで向き合っていたナラの切り株や、搬出を待つどっしりとした丸太を椅子代わりに腰を下ろします。冬の柔らかな日差しが差し込む中、無造作に積み上げられた枝葉の山を背にして座るその場所は、プロフェッショナルだけが味わえる「現場の特等席」です。

スタッフたちは、それぞれ用意した食事を手に取り、冷えた身体を内側から温めていきます。食事を囲みながら交わされるのは、午前中の難所だった「ツル」の攻略法や、午後の作業に向けた最終確認。


「あそこのツルは本当にしぶとかったな。でも、おかげで午後の倒し方は見えたぞ」

「国道側の安全確認、午後はさらに交通量が増えるだろうから、もう一段階ギアを上げよう」


そんな会話を楽しみながら、スタッフたちは束の間の休息を謳歌します。ふと足元を見れば、ナラの木が数十年かけて大地に刻んできた年輪が、私たちの座る椅子となっています。自分たちが切り出した成果を文字通り肌で感じながら過ごすこの時間は、単なる食事以上の意味を持ち、チームの結束をより強固なものへと再構築してくれます。

13時。休憩を終えて立ち上がる職人たちの目には、午後の激闘を勝ち抜くための新たな鋭い光が宿っていました。瑞穂町の空をさらに広げるための後半戦が、静かに始まろうとしています。



お昼休憩
お昼休憩

⑤伐採作業中:国道沿いのプレッシャーを跳ね返す、精密なる「静」と「動」


午後からの作業は、本プロジェクトの難易度を象徴する巨木たちの伐倒に焦点が当てられました。周囲を見渡せば、物流倉庫の巨大な壁面と、絶え間なく流れる国道16号の車両。この二つに挟まれた狭隘な空間で、15メートルから20メートル級のナラを一本ずつ、確実に、そして安全に大地へと下ろしていく作業が続きます。

伐採の瞬間、現場には独特の緊張感が漂います。まずは、樹上に登ったクライマーが、幹に絡みついた無数のツルを一本ずつ断ち切っていくことから始まります。この「ツル」こそが、5日目になっても私たちを最も苦しめる伏兵です。ツルが隣の木や枝と繋がったままだと、伐倒の際に予想外の方向に力がかかり、巨木が予期せぬ挙動を見せるからです。


「よし、ツルは切れた。受け口を作るぞ!」


地上では、熟練の職人がチェーンソーを構え、倒す方向をミリ単位で調整しながら「受け口」を刻んでいきます。今回のこだわりである「なるべく幹を綺麗に切る」というマナーは、この伐倒の瞬間から始まっています。切り口が正確であればあるほど、木は計算通りの軌道を描いて倒れてくれるからです。

国道側では、ガードマンと連携したスタッフが、走行車両や歩行者の状況を鋭い眼光で注視しています。


「車、途切れます!今です!」


合図とともに、チェーンソーのエンジン音が一段と高く響き、追い口が入れられます。みしみしと音を立て、巨体がゆっくりと、しかし抗いがたい重力に従って傾き始める瞬間。4人のスタッフ全員が息を呑み、木の行く末を見守ります。そして、地響きとともにナラが狙い通りの安全地帯へと横たわったとき、現場には安堵と、すぐさま次の作業へと向かうプロの熱気が入り混じります。

倒れた後の処理もまた、時間との戦いです。コンマ0.25ユンボが唸りを上げて近づき、巨大な幹を掴んで移動させ、地上スタッフが即座に玉切りを開始します。この流れるような連携こそが、4日間で培ってきたチームの真価です。瑞穂町の空がまた一段と広く、明るく切り拓かれていくその光景は、まさに私たちが日々追い求めている「達成感」そのものでした。



伐採作業中
伐採作業中

⑥作業後:国道16号に広がる新たな地平と、次なるステージへの誓い


17時。瑞穂町の空が柔らかな夕闇に包まれ始め、本日の全工程が無事に完了しました。5日間にわたり、絶え間なく鳴り響いていたチェーンソーのエンジン音と、重機が大地を叩く音が止まり、現場には心地よい静寂と、達成感に満ちた空気が漂っています。

現場を一望すると、作業開始前のあの鬱蒼とした面影はもうどこにもありません。物流倉庫の白い壁面と、突き抜けるような青空を遮っていた「ナラの壁」は取り払われ、そこには驚くほど広く、明るい空間が広がっています。樹高15〜20メートル級のナラ15本をすべて仕留め、その巨大な根までをも攻略したこの景色は、まさに精鋭4名が積み重ねてきた技術と汗の結晶です。

本日の仕上げとして行った「整地」により、かつて巨木が深く根を張っていた場所は、大型車両の搬出も容易な、平坦で美しい大地へと生まれ変わりました。山積みにされた枝葉や、整然と並べられた丸太の山は、この5日間で私たちがどれほど膨大なエネルギーと向き合ってきたかを無言で物語っています。

今回のプロジェクトで私たちが最も大切にしたのは、国道16号という交通の要所に隣接した環境下での「安全」と「マナー」でした。歩行者の皆様や走行する車両に一糸乱れぬ注意を払い、常に現場周辺を清潔に保つこと。その姿勢が通じたのか、住民の方からいただいた「祭日なのにありがとうございます」というお言葉は、私たち職人にとって何よりの報酬となりました。

もちろん、現場は常に順風満帆ではありませんでした。執拗に絡みつくツルとの格闘、壁際でのミリ単位の伐採、そして予期せぬ車両のトラブル。しかし、その一つひとつをチームの絆で乗り越えるたびに、私たちの結束はより強固なものとなりました。

瑞穂町の新しい風景に、明日からは心地よい風が吹き抜けることでしょう。一旦現地に集積された資源たちは、後日、大型車両によって次の場所へと運ばれ、新たな役割を担うことになります。私たちは、この街の「緑の守り手」としての誇りと、今回の現場で得た確かな手応えを胸に、相棒の軽バンとともに現場を後にしました。



作業後
作業後


記入者: 株式会社 樹

現場: 東京都西多摩郡瑞穂町高根(国道16号沿い)

人員: 4名 完了日: 2026年2月24日(火曜日)

成果: ナラ15本伐倒、整地、現地集積完了

 
 
 

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