東京都瑞穂町・国道16号沿い伐採プロジェクト:8日目。晴天に踊るクレーンと、30立米の巨材が拓く未来。
- いつきスタッフ

- 17 時間前
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①30立米の大型車にて搬出作業:青空へ舞う巨木と、機能美がもたらす圧倒的効率
2026年2月27日、金曜日。朝8時、瑞穂町の現場は目覚めるような快晴に包まれました。昨日の泥濘(ぬかるみ)が嘘のように、太陽の光が現場を明るく照らし出し、スタッフ2名の士気も最高潮に達しています。本日の最初の重要ミッションは、これまで現場に積み上げてきた膨大なナラの材を運び出す、大型搬出作業です。
現場に現れたのは、最大積載容量30立米を誇る大型ヒアブ車。その巨大な車体が国道16号の脇に静かに鎮座する姿は、まさにこのプロジェクトの「物流の要」としての威厳を放っています。作業開始とともに、車両に装備された赤いクレーンアームが、生き物のように滑らかな動きで空へと伸びていきました。
クレーン先端のグラップル(爪)が、私たちが丹念に切り揃えてきたナラの幹をガッチリと掴み上げます。青い空を背景に、数メートルに及ぶ巨材が宙を舞う光景は、力強さと機能美が融合した、この仕事ならではのダイナミックな瞬間です。
ここで真価を発揮したのが、連日私たちが徹底してきた「材の仕分け」と「玉切り」の精度です。
2メートル前後に切り揃えられた「幹(丸太)」
複雑に絡み合いながらも一定の長さに整えられた「枝葉」
これらが整然と集積されているため、クレーンのオペレーターは迷うことなく次々と材を掴み上げ、荷台へとパズルのように隙間なく積み込んでいきます。バラバラな長さの材が混在していれば、30立米という膨大な容量を使い切ることはできません。私たちの「マナー」としてのこだわりが、大型車の積載効率を最大化させ、往復回数を減らすという「経済的なメリット」へと直結しているのです。
また、本日の最優先マナーである「道路を土で汚さない」という点についても、晴天という条件に甘んじることなく徹底しています。クレーンが旋回する際、材に付着した泥が国道側へ落ちないよう、スタッフが常に目を光らせ、車両のタイヤが泥を噛んで国道に出ることがないよう、現場内の移動ルートも厳格に管理しました。
30立米という、想像を絶するボリュームの材が次々と荷台を埋め尽くし、山を成していく様子は、これまでの7日間の激闘が確実に「成果」へと変わっていくプロセスそのものでした。大型車のエンジンが力強く唸りを上げ、満載となったナラの材とともに現場を後にするたび、瑞穂町の空はまた一段と、その広さを増していくようでした。


②抜根作業:大地に刻まれた「記憶」を解き放ち、平坦な未来を創る
伐採作業において、木を倒すことが「視界の更新」であるならば、抜根は「大地の再生」を意味します。ナラの木は、樹高20メートルにも及ぶ巨躯を支えるため、瑞穂町の大地へと複雑かつ強固に根を張り巡らせています。本日私たちが対峙したのは、計25本分にも及ぶ巨大な根株たちです。
この工程の主役は、もはや私たちの手足とも言えるコンマ0.25ユンボです。オペレーターは、ユンボのアームを繊細に操り、まずは切り株の周囲を円を描くように掘り起こしていきます。昨日までの雨を吸い込んだ土壌は、太陽の光で表面こそ乾き始めていますが、地中深くは未だ重く、粘り強い抵抗を続けています。
「この根、国道側の縁石のすぐ下まで潜り込んでいるな。慎重に浮かせてくれ」
スタッフ同士、泥にまみれながらも一瞬の油断もない連携が続きます。ユンボのフォークで根の太い部分をガッチリと掴み、大地の抵抗を力技でねじ伏せるようにして引き抜く瞬間、現場には「メキメキ」という大地が裂けるような凄まじい衝撃音が響き渡ります。地中から姿を現した根株は、絡みついた大量の泥とともに、これまでこの場所で刻んできた数十年という時間の重みを物語っていました。
ここで私たちのプロとしてのこだわりが試されます。それは、ただ抜くだけでなく「完璧な更地」へと戻すためのプロセスです。抉り出された跡の大きな穴は、即座にユンボで埋め戻され、丁寧に転圧して平坦に慣らしていきます。この地道な作業を25回繰り返すことで、凸凹だった現場は次第に、一つの「平原」としての表情を取り戻し始めます。
また、本日の最優先事項である「道路を汚さない」というマナーも、この抜根作業中にこそ真価を発揮しました。掘り起こされた泥だらけの根株を移動させる際、国道16号の路面へ泥が飛散しないよう、ユンボの旋回軌道を常に現場の内側に制限。フェンス際での作業では、ガードマンと息を合わせ、通行人や車両に一欠片の土も飛ばさないよう、細心の注意を払いました。
地中の根を一つひとつ解き放つたびに、瑞穂町の現場からは荒々しさが消え、清々しい「空間」が生まれていきます。それは、この土地が次なる目的のために活用されるための、もっとも誠実な準備作業。泥にまみれ、重機の咆哮が響く中、私たちは大地を本来の白紙へと還す職人の誇りを胸に、最後の一本まで抜根の手を緩めることはありませんでした。



③30立米の大型車にて搬出作業(2台目):地中の深淵を飲み込む、圧巻の積載劇
午後の強い日差しが現場を照らす中、本日2台目となる大型ヒアブ車が国道16号にその巨体を現しました。1台目が「幹」を中心とした重量感のある搬出だったのに対し、この2台目の主な任務は、先ほどまで私たちが大地と格闘して抉り出した「巨大な根株」と、山を成していた「枝葉」の掃討です。
大型車両が定位置に就くと、再び赤いクレーンアームが空高く舞い上がります。その動きは1台目の時よりもさらに力強く、執念を感じさせるものでした。グラップル(爪)が、泥をたっぷりと含んだナラの根株をガッチリと掴み上げます。地中深くで数十年、この土地を支え続けてきた巨大な生命の拠り所が、今、重機の手によって軽々と宙を舞い、大型車の荷台へと飲み込まれていきました。
ここで改めて際立ったのが、現場の「整理整頓」がもたらす圧倒的なスピード感です。私たちは抜根作業と並行して、抉り出した根株をクレーンが掴みやすい位置へ、泥をある程度落とした状態で集積してきました。この事前準備があるからこそ、ヒアブ車のオペレーターは一寸の無駄もなく、次々と材を積み込んでいくことができます。
「根株は嵩張るからな。グラップルで上から押し込んで、隙間を枝葉で埋めていこう」
スタッフ2名は、地上からクレーンの動きを鋭くガイドします。根株は形状が複雑なため、普通に積めばすぐに荷台が溢れてしまいます。しかし、熟練のオペレーターは、クレーンの自重を利用して材を「圧縮」しながら積み込み、30立米という巨大な空間を限界まで使い切ります。枝葉が隙間を埋め、根株がその重みで全体を安定させる。荷台の中は、まさに職人技が織りなす「積載の芸術」そのものでした。
そして、本日の最優先マナーである「道路を土で汚さない」という掟。この2台目の積み込み時にこそ、その真価が問われました。根株には地中の粘土質な土が付着しています。クレーンで持ち上げる際、微細な泥が国道側へ飛散しないよう、旋回スピードを慎重にコントロール。さらに、積み込みが一段落するごとに、車両の周囲や国道の路面をスタッフが徹底的に清掃します。
「国道を行き交う人々にとって、私たちの仕事は『風景の一部』だ。泥一つ残さないことが、プロとしての最低限の礼儀だ」
そんな思いを胸に、私たちは最後の一掴みまで、誇りを持って積み込みを見守りました。30立米の荷台が、瑞穂町の大地から生み出された「資源」で満杯になり、大型車が力強い排気音とともに国道16号へと走り出したとき、現場にはそれまであった「物理的な重圧」が完全に消え去っていました。
視界を遮るものは何もない。そこにあるのは、私たちが8日間かけて切り拓いた広大な大地と、どこまでも続く瑞穂町の青い空だけでした。


④作業後:夕陽に照らされた新たな大地と、国道16号に刻んだ矜持
17時。現場に鳴り響いていたチェーンソーの残響と重機の重低音が、静かに止まりました。国道16号を走る車の走行音だけが、日常の鼓動として周囲に満ちています。8日間にわたり、精鋭たちが心血を注いできた瑞穂町の現場は、今、劇的な変貌を遂げた姿を現しています。
現場全体を見渡すと、作業開始前の鬱蒼とした「木の壁」はどこにもありません。巨大な物流倉庫「ロジポート」の近代的な白い壁面を背景に、突き抜けるような広い空と、美しく整えられた大地が広がっています。本日のミッションであったナラ25本の抜根、そして30立米×2台(計60立米)という圧倒的な物量の搬出。これらすべての成果が、目の前の清々しい景色として結実しています。
「本当に、空が広くなったな……」
泥にまみれたスタッフ2名が、夕刻の光の中で現場を振り返ります。本日の作業は決して平坦な道のりではありませんでした。25本という膨大な数の抜根は、地中の状況によって一筋縄ではいかない場面も多々ありました。しかし、そうした困難を一つひとつ乗り越え、無事故でこの瞬間を迎えられたのは、これまで積み上げてきた経験と、チームの盤石な連携があったからこそです。
特に徹底したのが、国道沿いという立地ゆえの「マナー」です。本日の最優先事項であった「土で道路を汚さない」という掟。作業後のアスファルトを確認すると、頻繁に大型車両が出入りしたとは思えないほど清潔に保たれています。泥一つ残さないという職人の誇りが、地域社会との信頼を守り抜いた証です。
かつてこの場所で何十年も時を刻んできたナラたちは、私たちの手によって資源へと姿を変え、すべて次なる役割へと旅立っていきました。抜根された跡地は、ユンボによって丁寧に埋め戻され、転圧されて平坦なキャンバスへと生まれ変わっています。この大地に再び光が降り注ぐようになった光景は、ビデオ制作も手掛ける私たちの目には、この上なく美しい「完成した画(え)」として映っています。
相棒の軽バンに、8日間使い込んだ機材を積み込みます。泥を落とし、メンテナンスされたチェーンソーの刃が、夕陽を浴びて静かに光っています。私たちは、この街の風景を更新したという確かな手応えと、一人の怪我人も出さずに完遂した安堵感を胸に、住み慣れた街へとハンドルを切りました。

記入者:株式会社 樹
現場: 東京都西多摩郡瑞穂町高根(国道16号沿い)
人員: 2名 完了日: 2026年2月27日(金曜日)
成果: ナラ25本抜根、30立米大型車2台搬出完了、完璧な整地・清掃完了



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