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鴻巣・17号沿いの巨木群に挑む。25mのカシと雑木を、高所作業車と4人の結束で完全攻略!

  • 執筆者の写真: いつきスタッフ
    いつきスタッフ
  • 7 時間前
  • 読了時間: 10分

①作業前

2026年4月13日。埼玉県鴻巣市を南北に貫く国道17号線沿い。我々「株式会社 樹」の精鋭4人は、朝一番の静寂の中で、ある広大な敷地に立っていた。今日から始まるこの現場、我々を待ち受けているのは、これまでの現場のスケールを遥かに凌駕する、まさに「巨木の森」だ。

見上げる先には、樹高25mに達する堂々たるカシの木。その傍らには、15m級の雑木が2本、さらに奥には、こちらも25mはあろうかという巨大な雑木がそびえ立っている。国道沿いということもあり、これらの巨木が万が一にも倒れれば、交通への影響は計り知れない。施主様からは、安全確保のための完全な伐採が求められていた。

今日の布陣は、通常の倍となる4人体制。さらに、我々の頼もしい相棒として、17mの高所作業車も現場入りしている。これまでのロープワークによる「空中戦」とは異なり、重機の機動力を活かした、よりスピーディーで、よりダイナミックな施工が求められる。3トンダンプと軽バンに加え、伐採した大量の材を集積するための重機、そして搬出用の大型車両まで予定されている。

「今日は近隣への配慮で、音出しは9時過ぎからだ。それまでに全ての準備を完璧に整えるぞ」。リーダーの指示のもと、4人はそれぞれの役割に散る。チェーンソー3台の燃料を満タンにし、高所作業車のバケット(作業台)を入念に点検する。国道を行き交う車の列。その喧騒の隣で、4人の職人の静かな決意が、鴻巣の空へと真っ直ぐに伸びていた。



②除伐作業

9時が過ぎ、近隣への配慮に基づいた「音出し」の許可が下りると同時に、現場は一気に加速した。我々4人がまず着手したのは、巨大なカシや雑木の足元を覆い尽くす、笹藪(ささやぶ)や低木類の「除伐(じょばつ)」だ。これらは一見地味な作業に思えるが、実は今日一日の成否を分ける、極めて重要な工程である。

今回の現場は2トンダンプではなく、3トンダンプや軽バン、そして17mの高所作業車という大型車両が次々と進入する。さらに、伐採した材を集積・搬出するための重機や大型車両の動線も確保しなければならない。もし足元に笹藪が残っていれば、重機のキャタピラが滑ったり、隠れた障害物に接触したりするリスクが高まる。

4人はそれぞれの持ち場に散り、チェーンソーと刈払機(かりばらいき)を駆使して、密集した笹藪を一掃していく。切り開かれた笹は、重機によって一箇所に集められ、トラックの荷台へと次々と積み込まれていく。そのスピード感は、まさに「樹」ならではの連携プレーだ。

笹藪が消え、地面が剥き出しになると、そこにはこれまで隠れていた25mのカシの木の強靭な根元や、15m級の雑木たちの立ち姿がくっきりと現れた。重機が自在に動き回れる「道」が完成した瞬間だ。足元の憂いを絶ち、巨大な敵へとアプローチするための舞台が整った。鴻巣の空へと真っ直ぐに伸びる巨木たちを前に、我々4人の意識は、次なる「高所作業」へと向けられていた。




③枝払い作業

除伐によって足元の視界が開けると同時に、いよいよ主役である巨木たちへのアプローチが始まった。ここで行われる「枝払い作業」は、ただ枝を落とすだけではない。後に控える重機での運搬や大型車両への積み込みを見据えた、極めて戦略的な工程だ。

17mの高所作業車がエンジン音を響かせ、バケットがカシの木の広大な樹冠へと吸い込まれていく。その動きに呼応するように、地上班もチェーンソーを手に取り、降ろされてくる材を待ち構える。今回の現場が長期プロジェクトである理由の一つは、この凄まじい「枝葉の量」にある。25m級の木ともなれば、一本から出る枝のボリュームだけで、通常の庭木数本分に匹敵する。

地上班の役割は、降ろされた巨大な枝を瞬時に見極め、重機のグラップル(掴み機)で掴みやすい形状へと整えることだ。余計な小枝を払い、材を一定の方向に揃えていく。4人体制の強みは、この「捌き」のスピードにある。高所作業車から次々と供給される材を、地上で停滞させることなく処理し、常にクリーンな作業床を維持し続ける。

国道17号を行き交うドライバーたちの視線を感じながらも、私たちの意識は手元のチェーンソーと、頭上で踊るバケットの動きに集中している。カシの硬い木質を断ち切る鋭い音、そして飛び散る大量のおが屑。この「枝払い」の精度が、後の「重機運搬」の効率を劇的に変える。長期戦の初日、私たちは膨大な枝葉の波を、職人の技で着実にコントロール下に置いていった。




④伐倒作業

枝払いを終え、天を突くような巨木たちが一本の巨大な「柱」となった。ここからが、この現場において最も緊張が走る「伐倒(ばっとう)作業」だ。対象は、樹高25mのカシの木と雑木、そして15m級の雑木たち。国道17号線が至近距離を走り、敷地内には重機や高所作業車が配置されているこの環境では、倒す方向を1度たりとも見誤ることは許されない。

「全員、退避距離を確保!」。リーダーの鋭い声が響き、地上班が速やかに安全圏へと移動する。私たちはまず、木の重心と曲がり具合をミリ単位で見極め、倒したい方向に向けて「受け口」を刻む。チェーンソーの刃が幹の深部へと食い込み、カシ特有の硬い手応えが手に伝わる。続いて、反対側から「追い口」を入れ、木の重みをコントロールするための「ツル」を残す。

静寂の中、チェーンソーのエンジン音だけが轟く。追い口が深まるにつれ、巨大な幹がわずかにミシミシと音を立て始めた。クサビを打ち込み、最後の一押しを加えた瞬間、25mの巨躯がゆっくりと、しかし圧倒的な質量を持って宙を舞う。

「倒れるぞ!!」

地響きとともに、狙い通りの空き地へとカシの木が横たわった。落下の衝撃で周囲の空気が震え、舞い上がる土埃。一本、また一本と、これまで空を遮っていた巨木たちが、職人の計算通りに地上へと平伏していく。この伐倒作業の連続により、初日にして現場の景色は劇的に塗り替えられた。しかし、これは長期プロジェクトの序章に過ぎない。倒された巨木という「巨大な横たわる山」を前に、私たちの戦いはさらに熱を帯びていく。




⑤重機を使用した運搬作業

一本の巨大な「柱」から、地上に横たわる「巨大な材」へと姿を変えたカシや雑木たち。ここからは、人力の限界を遥かに超えた重量物を捌く、重機の独壇場だ。今回の鴻巣の現場では、油圧ショベルの先端に、材を自由自在に掴むことができる「グラップル」を装着して投入。この重機の導入こそが、長期プロジェクトの初日にして「ほとんどを切り終える」という驚異的なスピードを支えた立役者である。

「重機が入ります、足元注意!」。オペレーターの巧みなレバー操作により、グラップルの鋭い爪が、伐倒されたばかりのカシの巨躯をガッチリと捉える。25m級の木ともなれば、その幹の重量はトン単位。人力ではびくともしない大径木も、重機のパワーにかかれば、まるで小枝を扱うかのように軽々と持ち上げられ、集積場所へと運ばれていく。

広い敷地内を、キャタピラが力強く地面を噛みながら進む。伐倒した場所から、搬出用の大型車両が横付けできるエリアまで、材を最短ルートで集約していく。この際、ただ無造作に積み上げるのではなく、後日の大型搬出を考慮し、幹の太さや長さを揃えて整然と並べるのが「樹」のこだわりだ。

重機が材を掴み、運び、積み上げる。その一連の流れに合わせ、地上班もチェーンソーを手に取り、重機が掴みやすいよう瞬時に材を整える。国道17号を行き交う車の列のすぐ傍らで、オレンジ色の重機がダイナミックに躍動し、山のようだった伐採材が次々と整理されていく。機械の圧倒的なパワーと、職人の繊細な判断が融合した時、現場の景色は分単位で「完遂」へと近づいていった。




⑥お昼休み

国道17号の喧騒をすぐ隣に感じながら、午前中の激闘を終えた現場に束の間の静寂が訪れる。25m級の巨木を相手にする伐採作業は、常に神経を研ぎ澄ませ、全身の筋肉をフル活用する。特に4人体制でこれほどまでの進捗(初日でほとんどを切り終える)を叩き出している今日の現場は、一人ひとりの熱量が凄まじい。だからこそ、この「お昼休み」の休息は、単なる食事以上の意味を持つ。

アスファルトの上に腰を下ろし、職人たちが輪になる。特別な椅子があるわけではない。自分たちが整備し、安全を確保したこの現場そのものが、今の私たちにとって最も落ち着く休憩所だ。お弁当を広げると、張り詰めていた緊張感がふっと解け、現場には自然と笑顔がこぼれる。

「あのカシの木、中が詰まってて相当重かったな」「重機の入り方が完璧だったから助かったよ」。

交わされるのは、午前中の作業の振り返りや、午後の段取り、そしてなんてことのない世間話。この何気ない会話が、午後のさらなる連携を生むための潤滑油となる。空を見上げれば、朝は鬱蒼としていた空間が大きく開け、春の穏やかな陽光が降り注いでいる。自分たちが成し遂げた進捗を視覚的に確認しながら英気を養うこのひとときは、職人にとって至福の時間だ。

しっかりと食事を取り、水分を補給する。大型案件の長期プロジェクトは、まだ始まったばかり。午後からはさらに風の影響も考慮しつつ、仕上げの工程へと入っていく。4人のプロフェッショナルは、互いの体調と士気を確認し合い、再びチェーンソーを手に取るための心の準備を整えていた。




⑦目立て

昼食を終え、午後の作業に向けて最初に行う儀式。それがチェーンソーの「目立て」だ。午前中だけで、25m級のカシの木や雑木を何本も伐倒・解体してきた刃(ソーチェン)は、一見鋭さを保っているようでも、そのミクロな先端は確実に摩耗している。特にカシの木は非常に硬く、石のように詰まった木質を切り進むたびに、刃の切れ味は削り取られていく。

地面に腰を下ろし、丸ヤスリを手に取る職人の表情は真剣そのものだ。チェーンソーを膝で固定し、一刃一刃、決まった角度で丁寧にヤスリを押し出す。シュッ、シュッという規則正しい音が、国道17号の喧騒の中に小さく溶け込んでいく。

「目立てをサボれば、作業時間は倍になり、疲労は3倍になる」。

これが私たちの合言葉だ。切れ味の落ちた刃で無理に押し切ろうとすれば、チェーンソーに余計な負荷がかかるだけでなく、キックバックなどの思わぬ事故を招く恐れもある。逆に、完璧に研ぎ澄まされた刃は、木の自重だけで吸い込まれるように吸い付いていく。

研ぎ終えた刃を指先で軽く弾き、その鋭利な感触を確かめる。4人の職人がそれぞれの相棒(チェーンソー)を完璧な状態に仕上げた時、現場の士気は再び最高潮に達する。鋭い刃から生み出される「美しいおが屑」が、午後の鴻巣の空に舞う準備が整った。




⑧高所作業車を使用した枝落とし

お昼休みを終え、研ぎ澄まされたチェーンソーの刃を携え、いよいよ本日の仕上げ工程へと入る。ここで主役となるのが、17mの高所作業車だ。25m級の巨木を相手にする際、地上からの伐倒だけではリスクが高い場合がある。特に国道17号線に隣接し、電線や近隣住宅が密集する今回の現場では、重機の機動力を活かした「高所からの枝落とし」が、安全かつスピーディーな施工の鍵となる。

オペレーターがレバーを操り、高所作業車のバケット(作業台)がゆっくりと、しかし確実にカシの木の広大な樹冠へと吸い込まれていく。地上17m。ビルに換算すれば5階にも相当するその梢で、職人はチェーンソーを始動させる。見下ろせば、朝は鬱蒼としていた敷地が、自分たちの手によって大きく切り拓かれているのが見える。

「枝行きます!下注意!」。

バケットから放たれた合図に呼応し、地上班が速やかに安全圏へと移動する。高所作業車からの枝落としは、まさに「空中戦」だ。風の影響を考慮しつつ、住宅や電線を避けるように、狙い通りの軌道で枝を吊り降ろしていく。切り落とされた枝は、地上班によって瞬時に重機で運搬され、集積場所へと整理されていく。

高所作業車が枝を落とし、重機が材を運び、地上班が捌く。4人の連携により、作業スピードは午前中を凌駕する勢いで加速した。そして陽が傾き始めた頃、私たちは驚くべき光景を目にする。

「……今日だけで、ほとんど切り終えたな」。

長期プロジェクトと銘打ったこの鴻巣の現場。しかし、初日にして25m級の巨木群は姿を消し、残されたのは整理された膨大な材の山だけだった。重機の圧倒的なパワーと、4人のプロフェッショナルの結束が生み出した、驚異的な進捗。国道の喧騒の隣で、私たちは初日にして「完遂」という確かな手応えを感じていた。




記入者: 株式会社 樹

現場: 埼玉県鴻巣市 17号沿い

人員: 4人

完了日: 2026/04/13(作業1日目・ほぼ伐採完了)

成果: 25mカシの木、15m雑木2本、25m雑木の伐採を初日でほぼ完了。17m高所作業車と重機(グラップル)を最大限に活用し、4人の結束により驚異的なスピードでの施工を実現。国道17号沿いという難条件下において、無事故・無災害で初日を終了。

 
 
 

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